臨床細菌研究室(動物由来感染症関連業務)
環境保健衛生課、動物愛護相談センターをはじめとする関連部署と連携し、動物由来感染症の対策に資する調査および情報の集約を行っています。
犬や猫などの伴侶動物や都内に生息する野生動物などが保有する病原体の調査に取り組むとともに、検出された病原体については古典的な血清型別をはじめ、薬剤感受性試験や病原因子の検出を行うとともに、MLSTやPFGE、次世代シークエンサーを用いたゲノム解析なども駆使し、病原体の性質や由来を調べる研究も行っています。
Ⅰ 狂犬病調査
犬、野生動物等における狂犬病調査体制を整え、都における狂犬病対策の強化を図っています。動物愛護相談センターで調査対象動物の選定、検体採取を行う一方、当研究室では狂犬病の確定検査を行っています。
Ⅱ 感染症法に基づく患者検体の調査
感染症法に指定されている動物由来感染症(
類鼻疽、
レプトスピラ症、
ブルセラ症、
炭疽といった細菌性疾患)の発生届があった場合、医療機関の協力のもとに病原体の検出と同定を行っています。
Ⅲ 動物取扱業における取り扱い動物の病原体保有状況調査
動物取扱業「展示」(特に動物園におけるふれあい展示)、「販売」(主にペットショップ)を営む取扱業者の協力のもと、ふれあい動物や伴侶動物が保有する病原体の保有状況を調べています。
Ⅳ 動物病院における動物由来感染症モニタリング
東京都獣医師会との連携のもと、指定された動物病院において病原体の保菌状況などの調査を行っています。
これらのほか、One Health Approachに基づく薬剤耐性菌の調査をはじめ、豚レンサ球菌、コリネバクテリウム・ウルセランス、カプノサイトファーガ・カニモルサスといった感染症法未指定の病原体などの菌株収集なども進めています。